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JAGDA新人賞2007選考経緯

第1次選考(2006年11月29日/選考委員28名出席)

最終選考(2006年11月30日/選考委員22名出席)

選考評(澤田泰廣 年鑑編集長)

今年も作品の魅力はもちろんのこと、相当数の仕事量が無いと新人賞の最終選考のステージには上がれない厳しい現実があった。さらに印象として、ひとつの時代や流行といった言葉だけでは語りきれない、デザインの方向性に多彩な解釈と新鮮な表現が登場してきたようにも感じられた。そういう意味で今回の受賞者3名の作品は、たとえ仕事が多岐にわたっていたとしても、デザインに対する各自なりの信念を、あらゆる場面でより明快に定着させる力強さが際立っていたと思う。グラフィックデザインという仕事は、同じ土俵で勝負するものではないことを、あらためて再認識させてくれる選考会であった。

軍司匡寛作品 評価は見る側に強烈な鮮度を印象づけた表現力に尽きる。そして、ここ数年多く見られるあいまいで巧みさだけを強調したグラフィックとは、あきらかに一線を画す造形的な強度を感じた。特に「Little Family Tree」の濃厚なヴィジュアル展開や「flowt」での荒削りなタイポグラフィからは、作者の息づかいや体温までもが生々しく伝わってくる。表現に対する徹底したこのこだわりは秀逸だと思う。「もっと様々なデザインの場での仕事も見てみたい。」そんな期待感を抱かせてくれる作品群だった。
小林洋介作品 「山の会」等のマーク・ロゴの仕事はもちろん、ポスター作品においてもシンボル的にヴィジュアルを集約し、コミュニケーションをよりシンプルに成立させている。そして、これらのデザインは、どれも独特の心地よい自由さとユーモラスな感覚に溢れ、我々を不思議な世界に引き込む力を持っていた。複雑で情報の多い「三菱UFJ信託銀行」の求人パンフレットにも随所にその魅力は活かされていたように思う。わかりやすく自然体であることを大切にしながら、人とは違う微妙なズレを常に明確にできる感性は素晴らしい。
古屋友章作品 企業のメッセージ広告からクリスマスカードに至るまで、様々なメディア展開を行いながら、硬派なディレクション力で「ブライトリング」という時計メーカーのブランドイメージをしっかりと作り上げている。グラフィックデザイン本来の普遍性に、正々堂々真正面から向き合った真摯な姿勢が評価された。新聞広告に見られた圧倒的なフォトヴィジュアルの完成度と、ジェネラルグラフィックにおける知的で精密なアプローチは、新人賞の枠を超え、出品作全体の中でも確かな存在感を示していた。

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